妊娠して出産することは奇跡。
よく聞く言葉ですが、私はここ2年ほどでその言葉を身をもって噛み締める出来事が起こりました。
それが流産です。流産とは妊娠20週未満での妊娠の喪失のことを指します。
一概に流産と言ってもさまざまな種類があります。
例えば「切迫流産」。
こちらは流産しかかっているものの完全に流産したわけではない症状で、絶対安静や入院で助かる場合があります。
そして多くの方が想像している流産は「進行流産」「稽留流産」などと言われ、もう命として継続することができないことを指します。
そんな悲しく辛い宣告を受けてすぐにその後の処置について考えることになります。
「手術」か「自然に出てくるのを待つか」の2択です。
今回、この記事では「自然に出てくるのを待つ」選択をした場合に起こったこと、流れ、あった方がいいものなどを体験談として書き記しておこうと思います。
こんな方におすすめ
- 自然排出を視野に入れている
- 始まり方や経過が気になる
- 流産についての体験談を探している
進行流産・稽留流産の自然排出とは
流産にも種類があるよとお伝えしましたが、その種類をサクッと説明していきます。
進行流産
進行流産は妊娠中に自然に排出してしまう流産のことを言います。
出血が起き、子宮の内容物が外に出てきてしまうこと。
進行度合いによって「完全流産」と「不全流産」と分類され、
「完全流産」とは全て排出してしまった状態のことを指し、
一方で内容物がまだ子宮内に残存している場合は「不全流産」と呼ばれています。
稽留流産(けいりゅうりゅうざん)
稽留流産は胎児は死亡している状態で、出血や腹痛などはなく子宮内に留まっている状態のことを指します。
進行流産とは違い無症状なので、エコーで確認・医師に指摘されるまで自覚症状がないです。
体内に留まっているのでその後の処置を選択することになります。
その後の処置①「手術」
「子宮内容除去手術」を行います。
手術の方法もいくつかあり、掻爬法、MVA法(手動真空吸引法)など病院やその時の子宮内の状況、医師により方法が違うことがあります。
手術を選択するメリット
- 日程が決まっているので予定が組める
- 全身麻酔で行うため起きたら手術が終わっている
- 日帰り手術を行なっている病院も多い
- 妊活中の場合は次の妊娠へのタイムロスが短い
手術を選択するデメリット
- 「手術」という緊張感・不安感がある
- 手術費用がかかる
- 入院が必要になる場合がある
- 手術や麻酔にリスクが0ではない
メリットもデメリットもどちらもありますが、
自然排出を選択しても残存がある場合も手術になるので、最初から予定を組んで手術することを選ぶ人は多いです。
手術をする場合は事前に術前検査と言って、採血で検査を行います。
手術と言うと少し怖いけど、全身麻酔だから寝ている間に終わっている場合がほとんどよ!
その後の処置②「自然排出」
自然排出はその名の通り自然に体の外に子宮内容物が出るのを待つことを指します。
特に処置などは行わないことが多いです。
自然排出を選択するメリット
- 自然な形で待つので体への負担が少ない
- 出産した感がすごいある
- 特別に費用がかからない
- 自分の手の中でお別れが言える
自然排出を選択するデメリット
- 大量の出血や残存などのリスクもある
- いつ出てくるかわからないため予定が立てづらい
- 腹痛などの痛みを感じる
- 妊活中の場合、排出が起こらない限りリセットができないところ
自然排出にもメリット・デメリットどちらもあります。
選択するのはご本人ですが、長いこと子宮内に留まってしまった場合は結局手術を受けることになります。
なんと言ってもいつ出てくるかわからないのが最大のデメリットで、仕事をしている方や忙しい方には向かない方法かもしれません。
私はたまたま自宅保育だったからできたのかも・・・
稽留流産診断後の自然排出(case1)
ということで、私が実際に自然排出を経験してどのような感じだったのか書いていきます。
事前情報
case1の事前情報
- 当事者は私りんご(30代前半)
- 7週目で弱めの心拍確認後、9週目にて稽留流産診断
- 気持ちの整理のため手術までは少し時間をとってもらっていた
- 術前検査は先に行っていた
- 自然排出時はおおよそ11週目
- 大きな持病はなしです
自然排出の流れ(私の場合)
自然排出の様子をタイムライン形式でご覧ください。
- 11週に差しかかったある日の夜、ほんの少しの腹痛が
- トイレで確認してみるとアーモンド大ほどの薄茶のおりものがナプキンに付着
(※人によってはピンクに見えるかもというくらいの薄茶色でした)
(例)まさにアーモンドくらいの大きさ
- そのあとは少しずつ出血が増え、色も少しずつ血液色へ変化していきました
- 翌日になり、目が覚めてからも出血は少しずつ続いていた
- 横になっていると腰が痛くなるような鈍痛が続く
- トイレに確認しに行くとレバー状の血のかたまりが出た
- 大きめのかたまりが便器に落ち、自動洗浄にてトイレへ流れる
これがまた大惨事でして!
今までは普段の生理でも見かける程度のレバー状の塊が少しずつ出ていたのですが、この腰痛を伴う腹痛と共に様子が変わりまして。
(※今まで見た中で一番大きなかたまりだった)
(例)ミニトマト〜ホタテくらいの大きさ
突然、重量のありそうな3センチほどの血のかたまりが便器へボチャっと落ちました。
ちょ!!!
と思ったときには時すでに遅し。
めんどくさがりが住まうわが家のトイレには自動洗浄機能がついておりそのかたまりは便器の奥へと流れてしまいました。
そこからはもう大パニック&大号泣!
赤子を流してしまった・・・と自分を責め立てしばらく大泣き。(みっともない)
- とにかく焦って病院に電話して事情を話し、休日ですが診てもらえることに
- 病院につき、エコーで確認してもらうと「胎嚢はまだあるね!」と言われようやく安堵。
- 術前検査も終わっているので翌日手術を提案され、入院を勧められる
- 家に一度戻り、休日出勤の夫に娘を任せ病院へ連れて行ってもらう
- 娘と離れるのが初めてで少し寂しい。
- 二人部屋に案内されたが誰もいなかったのでテレビもiPadも音出してもいいよ!と言われ意外と快適に過ごせた
- 入院中にも血のかたまりが出たり、出なかったりを繰り返していた
- この時もアベレージ3〜4センチほどのかたまりが定期的に出続けていました。
- リラックスしながらテレビを見ていると急に便意が。
- もう流してたまるかと思いお股を抑えながら便を足し、無事にパンツを履いた瞬間に今までとは全く違うドゥルン!という感覚
- ガニ股のまま慌てて病室に戻りナースコール
すごいのでました!!!大きすぎて取れない!!!
私はガニ股になり看護師さんがテーブルクロス引きの如くナプキンをスライドさせて無事に大きなかたまりを取り出すことができました。
・・・待って一体どういうこと?って感じですよね。自分で取ればいいじゃん!そう思いますよね。
胎嚢を含む内容物が想像を遥かに超える大きさだったのです。
大きさでいうと
(※想像を遥かに超える規格外の大きさだった)
(例)こぶし大。コンビニの丸いおにぎりくらいの大きさはあった
こんな大きさのが出るなんて正直想定外でした。
だってさ!
とかいう話しかされてないんですよ。
まさか周りにこんなにどでかい内容物や血のかたまりを引っ提げて登場するなんて思わないじゃないですか。
本当これは自宅で一人で受け止めなくてよかったなと思いました。
大体は血のかたまりでしたが端の方に妊娠組織と思われる白〜黄色の箇所がありました。
ちなみに、排出時の痛みはそれほどなくそれよりその直前の便意の方が腹痛を感じました!
- 当直のお医者さんにお話を聞く
- 「翌日手術予定だったけどほとんど出ていると思う。明日の朝再度エコーで確認して内容物が残っていたりすれば手術になる可能性もあるので、担当の医師に引き継ぎします」と告げられる
- あの大きなかたまりが出てきてから一気に腹痛と出血がなくなる
- その日はゆっくりとベッドで過ごし就寝
- 翌朝、回診で先生に体調を聞かれ、その後エコーで確認してもらうことに
無事に全て排出することができて一安心でした。
出てきた内容物は、異常がないかどうか病理検査に回されることになります。
その後、徐々に出血もなくなり病理検査も問題なく今回の妊娠は終了。となりました。
稽留流産後の自然排出「case1」のまとめ
といった感じで私の初めての稽留流産は幕を下ろしました。
本当は元気な赤ちゃんを抱っこしたかったですが、何事もなく出てきてくれたのは最大の親孝行だと思います。
自然流産はいつ出てくるかわからないことが最大のデメリットではありますが、
自分で産んだ感がかなりあるので、気持ち的にも一つの節目になる気がします。
何より驚いたのは内容物の大きさでした。
もちろん経過週数や人それぞれ出方も形状も違うと思いますが、かなりびっくりしました。
稽留流産診断後の自然排出(case2)
事前情報
半年ぶりの妊娠でしたがまさかの2度目の稽留流産となってしまいました。
case2の事前情報
- 当事者は私りんご(30代前半)
- 6週目で胎嚢のみ確認、7週目も卵黄嚢・胎芽ともに見えず稽留流産診断
- 前回とクリニックが違うため自然排出推奨
- 念のために手術に移行するリミットは決められていた
- 自然排出時はおおよそ9週目
- 大きな持病はなしです
自然排出の流れ(私の場合)
- 前回と同様、9週に差しかかったとある日の夕方にアーモンド大の出血
(※人によってはピンクに見えるかもというくらいの薄茶色でした)
(例)まさにアーモンドくらいの大きさ
- そこからダラダラと少量の茶おりや出血が続く
- 翌日、出血量は増えずにダラダラと茶おりや少量の出血が続く
- たまに生理痛のような腹痛はあるもののそこまでの痛みはないので娘と一緒に自転車で買い物に行く
- 念のためバファリンプレミアム飲んでおく(念のため一番高いバファリン買った)
- 自転車を漕いでる途中で少し腹痛が出てくる
- 帰るか迷ってもう買い物の場所の方が近かったので先に進むことに
- 買い物途中、腹痛に耐えられなくなりトイレへ引きこもる(むすめ、ごめんな!)
- 前回と同様のミニトマトくらいの血のかたまりが出てくる
(※今まで見た中で一番大きなかたまりだった)
(例)ミニトマト〜ホタテくらいの大きさ
- そこからはもう早く家に帰ろう!と急いで買いものを済ませる
- 駐輪場まで腹痛が耐えられず途中またトイレへ行く
便意の痛みと生理痛の痛みが混ざったような痛みだよ🥺(便意強め)
- そこでいくつか血のかたまりが出てきて、大きさのあるものはもしかしての可能性があるので持ち歩いていたジップロックへ入れて持ち帰ります。
- そして今回も下着をあげて便器から立ち上がった瞬間に違和感があり、再度ナプキンを確認しました
- なんと絶対これだ!!!というくらいハッキリと胎嚢が出てきました。
(※今までとは明らかに違うものが見えた)
半透明の何も入っていない球体。とても神秘的でしばらく眺めてしまった。商業施設のトイレで・・・。
私の場合は、枯死卵っていうのかな?元々胎芽も卵黄嚢も確認できなかったから
中身がなく透き通った球体だったんだろうと思うけど、
きっと卵黄嚢や胎芽・胎児が確認できた人は自分の手でその姿を見ることもあるのかなと思うととっても感慨深いです。
自分から出てきたのに、何も入ってなかったのに、おそらく胎嚢であるその球体はすごく神々しくてこの中で生命が成長して生まれるんだ。と本気で感動して涙目になるほどでした。
- ペーパーで包み、ジップロックへ入れて持ち帰りました。
- 病院へ電話をして、翌日の予約をとってもらい内容物も持っていくことに
- 先生からはほとんど出ていて問題ないと言われ、内容物は病理検査へ
- そこから2週間後、確認してもらい何もなかったので今回の妊娠も無事に終了。
稽留流産後の自然排出「case2」のまとめ
今回は前述のとおり、胎嚢のみ確認の割と早い段階での流産となったため、
心拍確認した時の排出物に比べかなり血のかたまりなどの大きさには差がありました。
前回のようなこぶし大の大きさが出ることはなかったです。
痛みは生理痛と便痛が同時にきたような痛みでした。
そもそもなんで私チャリ漕いじゃったんでしょうね、今思えば帰ればよかったです。
初めて見た小さな胎嚢は今後の人生でも一生忘れることがないと思えるくらい神秘的なものでした。
また頑張らないとね!
用意しておくといいもの
痛み止め
痛み止めはもらえることもありますが、市販薬でも大丈夫です。
1度目の時は痛み止めをほとんど飲まずにしんどい思いをしたので、2度目の時はバファリンの一番いいやつを買いました。
ですが飲むタイミングをミスったのか、なぜか私には全然効いてくれず。
痛いままでした(もしかしたら飲まなかったらもっと痛かったのかも😵💫)
自分に合う痛み止めがわかっているならそれを使うことをおすすめします!
ジップロックなどの保存袋
これは外出時にも持ち歩いていると急に出てきてしまった場合に使えて便利です。
家でも出てきた内容物は病院に持っていくまでジップロックへ入れて冷蔵庫に保管していました。
出先などで突然、何も入れるものがないとなるとかなり困りますので、ビニール袋やジップロックは携帯していると安心です。
タオルやハンカチ
タオルやハンカチは何かと代用もできるので、万が一持ち帰れない場合もとりあえず包んだり、急な出血の時にも何かと役に立つことが多いと思いますので、自然流産の可能性がある場合は持ち歩くことをおすすめします。
ナプキン(多めに)
これは必須です。
徐々に出血が増える場合も急に増え始めるので、おりものシートでは受け止めきれなくなってきます。
アーモンド大くらいの着色があったら念のためナプキンに変えておくことをおすすめします!
私は1回目の流産の時は悪露の時に使っていたナプキンや多い日の夜用ナプキンなど大きめのものを使用していまいしたが、頻繁に交換することになりました。心配な方は大きめのナプキンを用意してくださいね!
生理用ショーツ
気づいたら出血が漏れていたり、ナプキンの交換が多くなるため生理用のショーツがあればそちらをおすすめします。
ナプキンのテープの粘着って結構強いですからね。交換の数が増えるほど布へのダメージも増えてしまいますし、洗って落ちやすいのも生理用ショーツの強みです。余裕があれば用意しておくことをおすすめします!
自然流産・自然排出のまとめ
私が流産した時の体験談をお話しさせてもらいました。
誰かの参考になれたら幸いです。
これは私の場合なので、人によっては「こんなんじゃなかったぞ!!」ってところもあると思うので、参考程度に役に立てると嬉しいです。
流産ってとても悲しいです。
実際に宣告された時は時間が止まったように感じますし、先生が言葉を選んでくれているのがわかるのがまたつらく感じたり
とにかく、体にも心にも大きな負担がかかりますので
どうか無理せず、自分を甘やかして過ごしてください。
ちょっと高い入浴剤買ってみたり。行きたかった高めのランチ行ってみたり、私も少し自分を甘やかしたりして気を紛らわせたりしました。
でもね、後からこの子たちは理由があって生まれてこなかったんだと思うような事態が起きましたのでそれも今後記録として書いていこうかと思います。
あと、流産って誰にでも起こる確率があるんです。
私は大丈夫。そんなことはないんです。
なので元気なうちに保険に入っておくことをおすすめします。(私が今一番後悔しているのがこれです)
もしものために備えは本当に必要
私は20代は健康そのもので、風邪すらなかなか引かないので有給も旅行や遊び行くくらいでしか使用したことなかったくらい絵に描いたような健康体でした。
それが妊娠を機に手術やら入院やらが増えていき30代では体の不調も出てきたりとびっくりです。ほんとびっくり。
私が今出産前に戻れるならやりたいこと第1位が保険に加入することです。
保険に加入しておけば・・・
- 入院日数に応じてお金がもらえる
- 手術に対してお金がもらえる
- 日帰り入院でもお金がもらえる
- お見舞い金がもらえる
※加入する保険により特典はさまざまです
これから子どもを考えている人は一度相談するのがおすすめです。
なんで後悔してるんだって?入ればいいじゃないかって?
・・・一度、帝王切開してしまうと帝王切開にかかる手術は保険の対象外になることがほとんどなのです。
だから、産む前!妊娠中でも遅くないのでぜひ早めに検討をおすすめします😭!
次の妊娠をより安全なものにするための手段として、心の底から保険の検討をおすすめします!
特に女性は妊娠・出産で何があるかわからないので、もらえるものもらった方がいいです。
痛い思いして、心も傷ついて、お金もかかって・・・本当に大変なので!
保険入れるうちに入って万が一があったらそのお金で少し贅沢するのもいいと思います🌹
ないのが一番なんですけどね。
というわけで私の自然流産のお話でした。
誰かの役に立つことができれば幸いです!では!